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2006年12月 9日 (土)

「食」

日に日に寒さが増しております。昨日やっとタイヤ交換を済ませたところです。皆さんはもうお済ませですか?

さて、今日は「医・食・住」の「食」と加えて「農」について考えてみます。。

外食先で「牛肉」を食べる機会があった訳ですが、「牛肉」と言えばつい最近までは「牛海綿状脳症=BSE」いわゆる「狂牛病」により国内牛肉の全頭検査や米国からの牛肉の輸入全面禁止措置、このとき豪州産牛肉が店頭に並んでいたのは記憶に新しいところです。

ところで、来年早々日豪間において自由貿易協定(FTA)における経済連携協定(EPA)が正式交渉に入ります。

両国の利益は何でしょう。豪州側にはこの牛肉はじめ乳製品、小麦、砂糖の主要四品目についての関税撤廃とそれによる輸出拡大があります。農水省の試算によればこの四品目の関税撤廃による国内生産の減少額は約8,000億円にもなるとのことです。この影響は農業以外の関連産業にも及び、日本の農業は大きな打撃を受けます。

では、日本側の利益はというと、経産省や外務省の見解によれば資源・エネルギー・食料の安定供給と安全保障を含む外交戦略的関係の強化とのことです。

現実には、すでに資源エネルギー分野の関税はかからないし、EPAがないと石炭や鉄鉱石が輸入できない状況ではありません。また、輸入による食料の安定供給ということは裏を返せば国内の食料自給率が一段と低下することにつながりかねないのです。

世界の自由貿易体制については、そもそも世界貿易機関(WTO)交渉が基軸となっており、EPAはその補完にすぎないのです。既にWTOは食料輸入国と輸出国との間で激しい対立関係にあり、7月に中断したままです。なのにここで日豪二国間において農産物の関税を撤廃することは、このWTOの存在意義が問われることになります。更に米国など同様に関税の撤廃を求められることにもなると思います。

この関税をかけ国内農産物を保護することとは、どういうことなんでしょうか。これは、日本と豪州との単純な農地面積比較でも農業用地面積は89倍、国民一人あたりの農地面積はなんと573倍と豪州が圧倒的に有利な条件であり、この格差はいかに国内農業の構造改革を進めたとしても、埋められないものです。

今、日本の農業は戦後最大の大変革期にあります。平成19年度から導入される品目横断的経営所得安定対策、農地、水、環境保全など保護される対象から自立する強い農業へと生まれ変わるためのものであり、そこに携わる農業従事者も必死に改革に取り組んでいるところです。

このEPA交渉がこのまま進むとすれば、結局今日の農業を犠牲にすると言っても過言ではなく、食料生産基地としての北海道が、更にはふるさとの農業そのものが大きく打撃を受けるだけではなく、農政改革の頓挫や食料安全保障を他国に頼るという日本の安全保障にも関わる問題でもあると思います。

私たちは、安全保障といってもいい食糧自給というものをもっと真剣受け止め、日本の農業を守り、強くするためにこのEPA交渉が安易に進められないよう今こそこの地方からももっと声を挙げる必要があるものと思います。

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